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脳画像から視床・被殻・内包を最も簡単にみつける方法!

今回は皆様が臨床場面でも非常によくみる松果体レベルの脳画像についてまとめていきたいと思います。

今回のブログで理解できることは大きく以下の3つです!

ポイント

  1. 松果体レベルの脳画像が理解できる
  2. 視床と被殻を探すことができる
  3. 運動麻痺に関わる皮質脊髄路の経路が理解できる

それではスタート♪

脳画像を見る前に必要なポイント

皆様が臨床場面で最もみることが多い脳画像が、この松果体レベルのスライスの画像だと思います。

理由は、脳出血の責任病巣の約7~8割がこの領域(視床出血・被殻出血)の脳出血になるからです。

ただその前に、まず脳画像を見る際のポイントとして押さえておいて欲しいのが、脳には大きく3つの組織があるということです。

それが、

3つの組織とは

  1. 灰白質:神経細胞の細胞体が集合している場所:主に機能がある場所
  2. 白質:神経細胞と神経細胞を繋ぐ線維が通っている場所:ネットワークの機能を有する
  3. 脳室:直接的な機能はなく、脳に対する栄養素の運搬に必要な脳脊髄液が流れる場所

なので、まず理解しておいて欲しい部分が、脳画像をみた際に脳卒中の患者様の問題は核(灰白質)の問題神経線維(白質)の問題か、それとも脳室を介した別の部分の問題(脳室穿破による別のスライスレベルでの問題)がでているのか?

そこからどういった症状や現象が引き起こされているのかをみることがとても重要になります。

また脳にはネットワークの問題もあるため、それらの問題点を臨床上把握していくことが非常に重要なポイントとなってきます!

脳の難しいところはここが障害されているからこれといった単純な症状理解ではなく、灰白質と白質によってつくられるネットワークの中での問題なので、そこも合わせて理解できると患者様の病態把握には非常に役立ちます!

今回の松果体レベルのスライスを理解・読影できるようになるには、まず視床と被殻を同定していくことがオススメです!

それでは実際にどのように同定していくかをみてみましょう。

視床と被殻を探す

まずは一番わかりやすい脳室(画像の中で黒くなっている部分)を探します。

下の図でいうところの青く塗りつぶしている部分です!

前方にある脳室を前角、真ん中の部分を第3脳室、後ろにあるのが後角になります。

そこから、指標となる3つの点をうっていきます。

画像を見るポイント

  1. 脳室の前角の前後に2点
  2. 後角の端に1点、印をつけます
  3. その3点を線で結ぶ

 

前角の2点と脳室で囲まれた領域に尾状核、前角と後角の2点と脳室で囲まれた領域に視床が位置します。

画像をみるポイント

4.島皮質(側方にある脳のしわが縦に広がっている部位)の領域に2点

5.先ほどの前角の後ろの点からやや外側に1点印をつけます

6.その3点を線で結ぶ

この3点を結んだ領域がレンズ核(淡蒼球・被殻)になります。

そして、視床とレンズ核がわかればその間の領域に通り道があるのがわかります。

画像を見慣れてくると、MRIでは白質部分が少し黒くうつっていることもわかってきますが、まずは全体的な骨格的な部分を把握してもらうことが重要となってきます!

内包を探す

この視床とレンズ核の間の領域は神経線維が通る場所となり、通り道の前方を内包前脚、後方を内包後脚といいます。

 

この内包の前脚と後脚ではそれぞれ重要な神経線維が通っています。

内包が半分に折れ曲がる膝という部位から後脚(前1/3)にかけて、運動麻痺に関わる皮質脊髄路が通ります(下図赤枠部分)。

 

脳画像から運動麻痺を考える

被殻出血や視床出血によって運動麻痺が生じるケースは、この内包後脚にかけて血腫が広がっていることが容易に想像できます。

しかし、脳出血患者様の急性期では、直接上記の皮質脊髄路が通る部位に損傷がなくても、浮腫等の影響により一時的に運動麻痺がみられるケースがあります。

そういった場合は、脳の回復段階の中で浮腫や血腫がひくことで、運動麻痺の症状は自然回復する可能性あるということを理解しながら、拘縮や廃用による筋力低下などの二次性の問題が生じないように注意をしましょう!

脳出血の場合は、もともとの患者様の血管機能(例えば動脈硬化が元々あるとか、糖尿病の既往歴があるといった)や、血腫吸収率なども理解することが必要ですが、血腫が吸収されるのにはおおよそ2ヶ月程度要するといったことも報告されています!

脳画像からみる出血後の画像変化はこちら!

予後予測を考えた場合に、今みられている運動麻痺という現象は、皮質脊髄路がどの程度損傷を受けているのか、浮腫や血腫によって起こっている問題なのかを把握することが非常に重要になります。

そして、今後その運動麻痺は回復してくる可能性はあるのか?

ADLなどを考えた場合には補助手としての選択肢が必要になるのか?

早期からの利き手交換を考慮すべきなのかといった部分を、脳画像と臨床所見を照らし合わせていくことで、予後予測を立てる一つの指標として脳画像を活用することが必要になってくるのです。

このことから考えると、被殻・視床のみの損傷では、運動麻痺が起こらないということはご理解頂けますでしょうか?

被殻にも視床にも皮質脊髄路が通ることはないので、この部位の障害だけでは運動麻痺は出現せず、被殻・視床出血の患者様をみた際には運動麻痺という要素ではなく、それぞれの領域にあった治療介入や評価が必然的に必要になってくるのです。

松果体レベルのまとめ

今回は松果体レベルの脳画像についてまとめてみました。

松果体レベルのまとめ

  1. 松果体レベルの脳画像が理解できる
  2. 視床と被殻を探すことができる
  3. 運動麻痺に関わる皮質脊髄路の経路が理解できる

このレベルの脳画像でおさえておいて欲しいのがまずは運動麻痺(皮質脊髄路の障害)がどの程度でているのかを把握することが重要になってきます。

もちろんこのレベルでみれる灰白質としての被殻・視床の機能を知ることも重要になり、それらの機能が実際の運動にどのように関与してくるのかも重要になってきます!

こちらは、今後脳画像シリーズとして基底核編、視床編でそれぞれの画像の見分け方などをブログでもまとめていきますので、、是非楽しみにしておいてください。

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