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歩行補助具の選択 ~移動手段としての見方だけでなく、評価としての見方~

本日も臨床BATONへお越しいただき、ありがとうございます。
最近3人目の子供が生まれ、久しぶりの新生児で若干あたふたしながらも毎日癒されている254日目担当のPTジュニアこと吉岡勇貴です(^-^)家族が増えると毎日賑やかで楽しいですね!

★はじめに

歩行補助具は移動手段の為に必要なものであり、私も臨床で患者さんの能力に合わせていろんな選択をしていきます。しかし実際の臨床では歩行器で歩けるか?杖で歩けるか?出来るか出来ないかだけに着目してしまうことが多かったように思います。
歩行補助具の選択1つで自宅に帰った際の生活与える影響は大きいです。
だからこそ、患者さんの能力や補助具の特徴や環境に応じた補助具を選択していくことが非常に重要であると考えています。
また、荷重制限があることや関節への負担軽減を目的とした歩行補助具の選択も考えられます。


そこに+α私が考えているのが評価としての補助具の役割りです。ここが今回お伝えしたかった部分です。
実際に臨床では同じような機能を持った患者さんでも同じ補助具を使用しての動作に違いがあります。
得意・不得意というだけの判断ではなく、そこには患者さんに足りない機能が隠されていると私は考えています。
そして、臨床では補助具を使って学習していく事や足りない部分に対してアプローチする事などが可能であると実感しています。

そうした事を考えていくときに重心と支持基底面の事も一緒に考えていくことで歩行の実用性の向上へと繋げっていき、患者さんの歩行に最適なアプローチを選択できるのだと考えています。


★僕自身の失敗体験から


例えば歩行器(U字)歩行で歩いている時に左右にふらつく、前に進めない、歩行スピードを調整出来ないなどの現象を臨床で経験しませんか?僕自身よく経験しました。その時には下肢筋力が弱いとか歩行器の操作に慣れていないだけという解釈で終わっていました。下肢筋力強化と操作に慣れる為に歩行器歩行練習の反復ばかりを行っていたように思います。その結果、歩行器が上手くなる方もいればそうでない方もいます。結局何が原因であったかが理解出来ていませんでした。


または歩行補助具の高さ調節を行い、上肢を代償的に使いやすいような形で調整するなどの対処療法しか行っていませんでした。
しかし、調整も個人差があり、その患者さんに合わせた高さ調整が歩行へ影響を与えます。
このように歩行補助具を通して得られるものはたくさんあり、歩行補助具の選択・高さ調整が重心や支持基底面との関係にも影響を与えていきます。

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