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リハ室への移動前に『整容』から始まるOTの介入  ~おしぼりを使って顔を拭く動作で意識すること~

皆さん、おはようございます!

脳外臨床研究会の全国にいるスタッフが臨床で経験している体験を基に日頃の疑問や気づきを中心にブログを綴っている『臨床BATON』をご覧いただき、ありがとうございます!!

臨床BATON 198日目を担当します、回復期リハ病棟で働いている作業療法士の『よっしー』です。

僕のブログは、日々担当している患者様との臨床での関わりを通して、OTとして行動している内容を中心にお伝えさせて頂いています!

少しでも、ブログを読んで頂いているセラピストの皆さんやその先の担当患者様への介入のきっかけになってもらえると嬉しいです😆

今回のテーマは、リハ室への移動前に『整容』から始まるOTの介入についてお伝えしたいと思います!

『数あるADLの中でなんで整容を選択したの?』
『おしぼりで顔を拭く?って独特なテーマだけどどういうこと?』など
ブログを読まれた皆さんは感じたのではないでしょうか?

結論からいうと、
【おしぼりで顔を拭く動作】は整容動作の1つであり、
☆『身だしなみという見栄え』
☆『上肢活動を必要とする身体機能面』
☆『自己身体や道具を使用するための高次脳機能面』
これらの要素を含んだ視点から患者様へのアプローチが出来ます!!

回復期だけでなく、急性期・生活期に関わる皆さんにとっても、一度は意識してもらいたい内容です👍
そして、OTだけでなく、PT・STと患者様に関わる皆さんに意識してもらえると嬉しいです✨


◎はじめに

僕が現在担当している患者様の多くが、基本動作・ADL動作のほとんどで人的介助が必要な段階で、リハビリ介入をさせてもらっています。

担当患者様は、回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準等において「重症者」に含まれ、日常生活機能評価10点以上またはFIM総得点55点以下の患者様に該当しています。

「重症者」の患者様のリハビリにおいて、患者様の状態にもよりますが、PTと協同して基本動作の再獲得を目指すこと・STと協同して食事動作の再獲得を目指すことが多いです。

回復期リハビリ病棟ではFIMの改善が必須となってくることもあり、早期に自宅退院等に向けた介入として、患者様のできる動作・している動作を増やしていくことが重要になると考えています。

そこで、OTとして基本動作や食事動作だけでなく、患者様自身が可能な動作を見つけながら、多くのADLを早期に獲得していく必要があるのも事実です。

しかし、患者様によっては身体機能面・高次脳機能面等の状態によって、なかなかADL動作の獲得に至らないケースが多いこともあります。

そのため、全ての動作において、病棟スタッフによる人的介助により日常生活を過ごしているケースが多いのではないでしょうか。

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日々の臨床で経験していると、患者様に朝の挨拶をする時に思うのが、口元が汚れていたり、目の周りが汚れていたり、髪の毛や衣服が乱れていることが多い印象です💦

病棟スタッフによる看護・介護だけでなく、僕たちセラピストも患者様のリハビリ介入前に気にかける必要があると思います👍

そこで、おしぼりを渡すことで自ら自分の顔や目を拭く患者様が多く、他者が介助で行うのではなく、患者様自身が自分で取り組むことにもリハビリとしての意味があると考えます🤔

※濡れタオルを温めた状態で渡すことが望ましいですが、病院で使用されているおしぼり機で作られるおしぼりを使用することも1つの方法です✨

今回のテーマはこのような経緯からスタートします!


◎整容動作とは

整容動作には、『口腔ケア』・『洗顔動作』・『手洗い動作』・『整髪(結髪)動作』・『髭剃り動作』・『化粧動作』・『爪切り動作』など様々な動作が含まれており、総称した名称になります。

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また、回復期リハ病棟での日常生活動作の評価として用いられるFIMにおいても、『整容』の項目があり、『口腔ケア・手洗い・洗顔・整髪・髭剃りまたは化粧』の5項目が評価対象となっています。

実際には、整容動作にどのような意味があるのでしょうか?

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