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寝返りで「手を忘れる」のは身体失認?感覚障害? ~身体失認と感覚障害の違いとは~

こんにちは!
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本日よりスタートするのは『臨床BATON4月号』です!
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関連のある内容をぎゅっとまとめておりますので、興味のある方は是非チェックしてください!


191日目を担当します、理学療法士のシミーです(^^)
脳神経外科病院にて回復期病棟でのリハビリテーションを担当しております。
最近、自分自身の身体の歪みや力み、使い方が日々の臨床において大きく影響していることを痛感し、自分の身体を見直そうと奮闘しています💦

先月は『腰痛』についてまとめましたので興味がある方は下記のリンクより是非読んでみてください!


今月は身体失認と感覚障害の違いは?という点についてお伝えしていこうと思います。

皆さん経験あるかもしればせんが、患者様が寝返る際に麻痺側の上肢を置き去り(忘れて)しまうことはないでしょうか?

そうなったときに、よく「何か忘れてませんか?」「手がついてきてないですよ」などと声掛けをして修正しようとするのではないでしょうか?

そして、忘れるから「身体失認だ!」や「無視してる!」などと原因を考えた経験はないでしょうか?
私も臨床に出て間もないころは瞬時にそのように思っていました(笑)

しかし、それが本当に失認や無視なのかわからないですよね。
感覚障害もあり何が原因になっているのかこんがらがってしまい、追及ができないしどうすれば追及できるのかもわかりませんでした💦

本日は「手を忘れる」という現象をもとに、身体失認と感覚障害の違いを考えていきたいと思います。



〇身体失認とは?

まず、失認とは?

ある感覚を介して対象物を認知することの障害

引用:Wikipedia

とされています。

よって身体失認とは、

感覚を介して自己身体を認知することができない状態をいいます

もう少し具体的にすると、
体性感覚や視覚を介して自己身体の状況を把握することができない状態
といえます。

症状としては大脳半球にある病巣と反対側の本人の体が、意識にのぼりにくくなります。
これは体性感覚のみではなく、視覚での認識も障害されている状態なので、見ても触ってもわかりません。

右半球病変で体の左側に生じることがほとんどで、左半球病変で体の右側に生じることはまれです。
身体失認が認められる場合はほぼ、右半球の損傷があるというように考えられます。

なぜ、右半球の損傷で出現するかというと、進化の過程で言語能力の出現により左半球のシルビウス裂周囲は言語機能が占拠し、それまで左半球にあった機能が右側へ移動し、量的な偏りが生じたと考えられるからです。

脳の進化

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